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おまいり日和
おまいり日和 2017年7月06日

7月 おまいり日和

小石川の夏
こんにゃく閻魔(源覚寺)の例大祭とほおずき市
井上裕子

お久しぶりの「おまいり日和」です。
7月は、神楽坂を離れて小石川へと向かいます。
JR飯田橋駅の西口が神楽坂へと続く道。
今月は、お茶の水・東京方向の東口方向へと進みます。
原稿を書いてくださったのは、井上裕子さん。
ここ、小石川生まれです。

神楽坂から隆慶橋を渡って安藤坂を上ると、突き当たりにそびえるのは徳川家ゆかり傅通院。傅通院を正面に、右に行くと善光寺坂です。この坂には幸田露伴の旧居や文京区指定天然記念物第1号の椋の木、狐伝説のある澤蔵司稲荷など見所いっぱいですが、あらためてご案内することにして、今回は坂道を下り、千川通りを右に曲がりましょう。

えんま通り商店街という怖そうなネーミングのアーケードを歩くと、小さなお寺にたどり着きます。そこが「こんにゃく閻魔(源覚寺)」です。土地の人たちは“お閻魔さま”と呼んでいます。
その名の由来は江戸時代、願掛けをして眼病が治った女性が、お礼に好物のこんにゃくを絶ってお供えした、というもの。今でも眼病平癒を祈念して、たくさんのこんにゃくが供えられています。

夏目漱石の「こころ」、樋口一葉の「にごりえ」などの中にも書かれ、最近は文学散歩の方々も見かけます。
筆者が子どもの頃、縁日の6の日にはえんま通りに夜店が出て、友だち同士連れ立って行った懐かしい思い出があります。当時、7月15・16日の例大祭には境内にまで夜店が。いつもの縁日にはない、はっか飴(笛に薄荷を詰めてあり、吹くとスースーして気持ちいい)や、いつまでも見飽きない飴細工を心待ちにしていました。

そして今、大勢の参拝者で賑わうのが、ほおずき市です。今年は7月22日(土)、23日(日)の2日間、朝8時から夜7時まで(日曜日は売り切れ仕舞い)、境内がほおずきの鉢で埋め尽くされます。

お気に入りの浴衣を着、ほおずきを一鉢求めて夏の風情を楽しみ、かつてサイパンの南洋寺に送られ戦争を経てこの地に戻ってきた「汎太平洋の鐘」を突いて、平和に思いを馳せていただければ、と思います。